理想の上司と出会い、自身のキャリアのロードマップが明確に。
──入社するまでの経歴や経緯を教えてください。
最初はハードウェア技術者としてキャリアをスタートしました。高校卒業後に就職した会社では、電車の速度コントロールを担う箇所の回路設計などをしていました。その際、物理的な制限や、仕様変更といった厳しい要件に対して、ソフトウェアの力で課題解決に挑むエンジニアの仕事を見て、自分自身もソフトウェアの道に進もうと決意し、2社目のシステム開発会社に転職したのです。そこで、業界の「現在」を知り、次世代を見据えて、社会の基盤を支えている、クラウドインフラの世界に進みたいと考えるようになりました。
わかりやすくたとえるなら、お客様が見ているアプリの画面が“フロントエンド”、秘匿すべきデータや企業が積み上げてきたビジネスロジックが“バックエンド”というイメージになりますね。クラウドはこのふたつを動かすための土台みたいなもので、スマホアプリとスマホ本体のような関係性です。決して派手ではありませんが、ないと困るレベルで社会に浸透し、なおかつ今後伸び続ける可能性が高いクラウドの技術を極めたいと思ったのです
──入社を決めた理由は何でしょうか?
前職の会社はクラウドインフラ領域の案件がなかったので、転職活動を始めました。ネクサスエージェントに決めた理由は、現在の上司である、河野取締役CTOの「どんな内容にも幅広く、深い専門知識で的確に応えてくれる」という技術力と、人柄ですね。少し上司自慢をさせてもらうと、河野さんは役員なので、普段は経営業務に忙しく、現場のことは我々が動かしています。しかし、フラッと現場に来て「あのサービスの実装ってどう?」と最新の技術について尋ねてくることがあります。現場を離れていても、つねに知識をアップデートし、部下の働きぶりを見ながら助言をくれる頼もしい上司です。
──今はどんなお仕事をされているのでしょうか?
アマゾンが提供しているクラウドサービス(AWS)を使った、インフラの構築などを担当しています。もう少し詳しく説明すると、クラウドの画面は業務用なので、とにかく「許可権限」「パラメーター」といった設定項目だらけなのです。クラウド黎明期はその設定を手動で行なっていたので、担当者が退職すると、「誰にもわからない状態」になる課題がありました。私のミッションは属人化を防ぐため、ソースコードを書いて設定などを自動化し、さらに拡張を推進することです。もうひとつが、当社はアジャイル開発のひとつの手法、「スクラム」でプロジェクトを進めているのですが、そのタスクがスムーズに流れることを促進する「スクラムマスター」という業務になります。
イケてる環境で、最高の仲間たちと業務を推進できるやりがい。
──大変に感じていることは何でしょうか?
最初に辛いと感じたのは、自分自身のスキル不足です。エンジニアとして2年のキャリアしかないので、初めてチャレンジすることに対し、時間がかかってしまいます。もう1点が、スクラムマスターとしての、意思決定の大変さです。IT業界には良くある話なのですが、マネージャーよりプレイヤーのレベルが高いことは、よくあります。当社はフリーランスのビジネスパートナーが多く、凄腕のパートナーが揃っています。高い専門性を持つパートナーや社内のエンジニアたちと連携し、生産性を高めつつ、プロジェクトとして同じ方向に向かって進めていく舵取りの仕事は、難しいと感じるときがありますね。
──辛さを感じたときはどのように乗り越えていますか?
苦労を乗り越えられたのは、上司と仲間たちのおかげです。スクラムマスターとして学んだのは、プロ人材に動いてもらうための方法。相手に敬意を払いつつ、交渉する力を身に付けられたと思います。また、「要件定義」や「設計」といった上流工程に加われる環境も魅力的です。もちろん、決裁や人事といった権限を全て持ち合わせているわけでは当然ありませんが、どのような技術を採用してどのようにソフトウェアを作っていくのか、開発に対する大きな裁量が現場にあります。決定はあくまでも上長の判断ですが、エンジニア歴2年目にして要件定義の段階から参画できるというのは、ベンチャー企業の自社サービスならではだと感じますね。
──部署の雰囲気などを教えてください。
エンジニアは正社員と外部のビジネスパートナーの比率が1:1くらいの組織です。フルリモート体制が確立しているので、最も遠隔地でいうと沖縄や韓国に住んでいるパートナーとも、案件を進めています。穏やかな方が多いですし、実際にソースコードを書くときに契約の業態なんて関係ないですから「どう進めたら生産性が高いのか?」だけに注力し、みんなが高いモチベーションを持って活躍している職場です。その理由としては、そもそも良質な案件に携われることに加えて、高度な知識を持つエンジニアたちが集まり切磋琢磨できるヒューマンリソースの充実と、職務に専念できる整備された開発環境などが挙げられると思います。
一歩踏み込んだ「提案」ができる、エンジニアを目指す。
──どのような方と一緒に働きたいですか?
ITが好きで、最低限の学習をしている方です。ソースコードを書けるレベルであれば、知識やスキルは入社後に身に付けられると思います。過去の事例で言うと、未経験から独学でAWSの認定資格を取得し、入社した方がいます。個人的には、月額1000円でITを学べるオンラインのプログラミング学習サービスもあるので、このあたりは入社前におさえてもらえたら働きやすいと思います。将来的に目指して欲しいのは、「一歩踏み込んだ提案ができるエンジニア」です。言われたことをこなすだけではなく、「その目的であれば、こうした方がより効率的ですよ」など、本質を捉えた上で、技術者として経営者層に対しても主体的に発言できるような、専門家集団でありたいですね。
──将来のキャリアビジョンを教えてください。
エンジニアのキャリアは大きく分けてふたつあり、会社が求める課題を解決しながら視野を広げつつスキルアップを目指すパターンと、たとえば“データサイエンティストになる”といった目標に応じた案件のみを受託してビジョンを達成するパターンがあります。私は、その双方を得たいと考えていて、それが横にも縦にも広い「T字型人材」です。縦に深い部分はクラウドを極め、横の幅広さは、会社の方針に応じて他の部署にITをレクチャーする社内コンサルティングや、採用のサポートなど、幅広く経験を積みたいです。スキルアップしつつ、組織を支えていきたいです。